著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

抗ヒスタミン薬の副作用「眠気」と「口渇感」が“食べる”の障害に

公開日: 更新日:

 高齢になっても元気に“食べる”うえで、個人的に注意が必要だと考えているクスリは「抗ヒスタミン薬」です。以前にも一度少し触れたことがありますが、さらに詳しくお話しします。

 抗ヒスタミン薬というとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、いわゆるアレルギー症状に用いられるクスリです。鼻水を止めたり、鼻づまりを改善したり、かゆみを止めたりすることを目的としています。

 これらの症状は風邪をひいたときに表れる症状でもあるため、一部の抗ヒスタミン薬の成分は市販されている風邪薬にも含まれている場合が多いです。市販薬にも入っていると聞くと「安全性が高い成分」だと思われる方も多いでしょう。しかし、当然、副作用があり、その代表的なものが中枢抑制作用による「眠気」と唾液分泌抑制作用による「口渇感(口の中が渇く)」です。

 これまでクスリと“食べる”の関係について取り上げてきた中で、「眠気」は摂食嚥下(えんげ)5期のうち食道期を除くすべての時期に悪影響を及ぼすとお話ししました。抗ヒスタミン薬による眠気は、成分がどの程度脳に到達するかによって決まり、中にはその程度が弱く眠気を起こしにくいとされているものもあります。ただ、それでもまったく眠気を起こさないわけではないので、特に高齢者の方がこういった抗ヒスタミン薬を使う際は注意が必要です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも