著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

崔洋一監督が他界…「膀胱がん」の再発チェックはM時開脚で

公開日: 更新日:

 がんが膀胱粘膜にとどまる早期だと、尿道から膀胱に内視鏡を挿入。がんを電気メスで切除します。これをTURBTといいます。再発予防として、TURBTから24時間以内に抗がん剤を注入するのです。私も膀胱がんを見つけたとき、この治療を受けました。

「がんの悪性度が高い」「がんが粘膜下層に届いている」「がんの数が多い」などのケースでは、抗がん剤ではなく、BCG注入療法が選択されます。BCGは結核予防ワクチンとしておなじみですが、早期の膀胱がんにも効果的で週に1回、計6~8回。これも内視鏡でBCGを膀胱に注入します。

 再発を見つけるための検査は膀胱内視鏡検査です。最初の1年目は3カ月ごと、2年目からは半年に1回。私は術後10年目までこのペースで続け、その後は1年に1回で恐らく一生続けると思います。08年に膀胱がんが見つかった俳優・黒沢年雄さんも昨年、再発予防の検査を受けていたことが話題でした。

 当時、黒沢さんが語ったように、この検査は男性にはつらいでしょう。M字開脚であおむけになり、陰茎の先端を消毒して、局所麻酔の入ったゼリーを注入し、膀胱鏡を挿入するのです。痛みはそれほどでもありませんが、看護師の前でこの格好はつらい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手