患者数日本一の性感染症「クラミジア」なぜ侮ってはいけないのか 性交1回の感染率は30~50%

公開日: 更新日:

 最近、感染症というと新型コロナや梅毒ばかりが注目されるが、「性器クラミジア」を侮ってはいけない。日本で最も患者数が多い性感染症でありながら、話題にならないのは簡単に治るイメージがあるからだ。しかし、これは大間違い。じつは発見しにくく、再発率が高い厄介な病気だ。しかも、クラミジアに感染するとHIV(エイズウイルス)への感染率が3~5倍に増加するほか、男女ともに不妊の原因になる。性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(東京・新宿区)の尾上泰彦院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「クラミジアの病原体は、クラミジア・トラコマチスという細菌の一種で、性的接触を介する粘膜との直接接触や体液の交換で感染します。感染力が強いのが特徴で、1回の性行為で感染する確率はHIVが1%未満に対して、性器クラミジアは約30~50%。しかも、男性の50%、女性の70~80%は無症状です。症状が出ても、比較的軽いので気づかないまま過ごし、感染源となってしまうことが少なくありません」

 実際、国立感染症研究所が公表している2000年から20年の性器クラミジア感染症の患者数の推移を見てみると、国が指定する約1000カ所の医療機関の定点報告数は02年の約4.3万人をピークに減少しているものの、15年からは増加傾向にあり、20年には約2.8万人が報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし