著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

AIががん診断の主役になる…胃も大腸も精度は専門医並み

公開日: 更新日:

 いろいろな分野でAIの活用が進んでいます。医療もしかりです。近い将来、医療現場でも欠かせない存在になります。今回は、医療とAIの関わりについてです。

 国立がん研究センター東病院と理化学研究所の共同研究チームは今年6月、早期の胃がんを自動診断するAIを確立しました。

 消化器内視鏡の専門医が今回のAIに早期胃がんの病変領域を正確に判定したがん画像150枚とがんではない正常画像150枚を読み込んで学習。さらに元データを拡大・縮小、反転、色変換などを加えて113万枚に増やして、早期胃がんの表面や色の特徴などをディープラーニングさせています。さらに診断したい病変のエリアを1600のブロックに分割。ブロックごとでの病変の存在確率を予測します。

 こうして構築されたAIを、別の137症例(がん画像462枚、正常画像396枚)で評価。その結果、AIは、がんでない画像を正しく正常と判断するより、がんの画像を正しくがんであると判断することに優れていることが分かりました。その精度は専門医と同等で、早期胃がんの領域予測で、AIが専門医に迫る精度を示したのはこの研究が初めてです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ