舌がんは「舌を切らない手術」で治す! 治療の中心は切除だが…

公開日: 更新日:

■鞘状の特殊医療機器を用いる

 そこで不破医師が開発したのが、鞘状の医療機器「ECAS」だ。

「“鞘”を浅側頭動脈に入れ、その中からマイクロカテーテルを入れて目的とした動脈に挿入します。一般的に“鞘”は動注療法のたびに挿入・撤去しますが、ECASは長期留置可能。治療中(1カ月以上)は浅側頭動脈に置いたままで患者さんの負担も軽くなります」

 抗がん剤が目的動脈からがんへと的確に投与されているかは、MRIで確認する。

抗がん剤はシスプラチンを使用

「シスプラチンには中和剤(抗がん剤の副作用を少なくする)があるので、同時に中和剤を静脈から投与することで、より多くの抗がん剤の投与が可能となるだけでなく副作用も軽減でき、治療効果の改善につながりました」

 2022年に不破医師らが発表した論文では、伊勢赤十字病院で「ECAS」で治療をした進行舌がん患者31人(ステージ4が84%)のうち、3年生存率81.6%。3年間、再発やほかの病気がなく生存している期間(無病生存率)は74.2%だった。

「対象者が少ないものの、ステージ4が8割を占める中、3年生存率が81.6%はかなり好成績。手術をした場合の治療成績と比較しても、同等またはそれ以上の結果だと言えます」

 どう人生を過ごしたいかで、治療の選択は変わる。舌がんの治療は手術だけではないことを覚えておきたい。

▽口内炎? 舌がんは口内炎から見つかることがよくある。2週間以上治らない場合、耳鼻咽喉科など舌がんを診ている医師を受診すべきだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相「嘘つき政治家人生」のルーツを発掘! 34年前に自ら堂々と「経歴詐称」を認めていた

  2. 2

    【スクープ第3弾!】衆院選での違法な「有料広告動画」疑惑 宮城自民5陣営“総汚染”で組織ぐるみが浮き彫り

  3. 3

    サバンナ高橋“10年いじめ”問題からにじむ上下関係の悪しき伝統と「吉本の闇」…鬼越トマホーク良ちゃんも参戦

  4. 4

    「投手の墓場」で好投する菅野智之の価値 僕が日本人史上2人目の本塁打を打ったのもクアーズフィールド

  5. 5

    巨人・戸郷翔征トレード獲得に他球団が虎視眈々 「ウチなら再生できる」「環境を変えた方がいい」

  1. 6

    犯人探しはまだまだ続く? 中山功太案件“解決”で強まる「パンサー尾形の件は誰なの?」の疑問

  2. 7

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に堕ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体

  3. 8

    パンサー尾形や中山功太の告発…お笑い業界の“いじめ体質”はなぜ消えない? ヤンキー文化が残した功罪

  4. 9

    井上一樹氏は今季限りでクビか? 最下位中日で早くもウワサ…次期監督は「井端弘和vs荒木雅博」の一騎打ち

  5. 10

    波瑠&高杉真宙「夫婦格差」新婚5カ月でクッキリ…妻は株上昇も、夫は視聴率低迷の切ない事情