前立腺がんの疑い…「腫瘍マーカーPSAが高い」と言われたら知っておきたいこと

公開日: 更新日:

 PSA、エコー、MRIの結果から、必要となれば生検へ進み、確定診断となる。生検でも、大きく進歩した点がある。

「通常、生検は定型的に前立腺の決まった部位の組織を採取するランダム生検が行われています。しかし生検の前に行ったMRIで異常部位を認める場合、その部分を中心に前立腺がんが見つかることが多いです。そこで、MRIの異常部位にターゲットを絞って組織を採取する。これを『標的生検』、あるいは『ターゲット生検』と呼びます」

 生検はエコー下で行うが、標的生検(MRI/エコー融合標的生検)は専用のコンピューターシステムを用いて行う。ある条件を満たせば保険適用だ。

 なお、専用の機器を用いずに行う標的生検(コグニティブ標的生検)もあるが、術者の技量や異常部位の大きさで正確性が左右される。

「いずれの標的生検も、通常のランダム生検より高確率で臨床的意義が高いがんを検出できると考えられています」

 MRIや標的生検が行われていなかった時は、不必要な生検を受けていた患者さんが多くいた。しかし今はMRIの「PI-RADS」や標的生検で、臨床的意義が高いがんかどうか、客観的に判断しやすくなってきている。

 ただし、すべての医療機関の泌尿器科で一律に行っているわけではない。前立腺がんは、一般的に進行が緩やか。生検が本当に必要かどうか、また、がんと診断された後も、迷うなら焦って治療を決断せず、セカンドオピニオンという手も考えた方がいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い