生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ

公開日: 更新日:

「この患者さんは食事指導をしても、それを実行できないため、薬の量を減らすことはできません。薬はすべてジェネリックで、腎臓の状態が悪いことから、これ以上、別の安い薬に入れ替えるのも難しい。本人は薬を間引いて飲んで薬を節約しているようですが、いずれ通院しなくなり、治療を中断するのでは、と心配しています」

 実はこの患者のように、生活苦から勝手に薬を飲まなくなったり、通院をやめて治療を中断する患者が急増しているという。

「いまは異常気象で暖かい日が続いているので目立ちませんが、この先、寒くなると貧困が理由で満足な医療を受けられない患者さんの救急搬送が増えて、亡くなる人が例年以上に増えてしまうのでは、と心配しています」

 実際、貧困が寿命に影響することは2015年の米国の平均寿命データでも明らかだ。

「この年、米国人の平均寿命が0.1歳短くなり話題になりました。原因は貧富の差の拡大とされ、平均寿命は収入上位1%は下位1%に比べて男性で14.6歳、女性で10.1年長かったことが報告されています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々