著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ワンランク上の健診「脳ドック」(2)目的は「隠れ脳梗塞」の発見

公開日: 更新日:

 脳ドックのMRI検査は、主に「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)」の有無を診ることを目的としています。その名のとおり症状が出ない、ごく小さな脳梗塞で、その大半は、脳の奥のごく細い動脈が詰まってできたものです。

 ただしMRIで検出できる小さな病変は、40代ででき始め、加齢とともに増えていきます。70代になれば、大抵の人が持っているともいわれています。そんな小さなものを相手にしてもキリがないので、脳外科分野では直径3ミリ以上のものに限って、隠れ脳梗塞と呼んでいます。60代で約15%、70代で約30%の人に見つかるといわれています。

 隠れ脳梗塞は、その名のとおり無症状のため、脳ドック以外では、頭のケガなどでMRIを撮らない限り、ほとんど見つかることはありません。また仮に見つかっても、放っておいても日常生活に支障はありません。

 だからといってあまり安心してもいられません。将来もっと本格的な脳梗塞や脳出血につながるリスクが高いからです。ある調査研究によれば、隠れ脳梗塞が見つかった人の10%が、7年以内に脳卒中になっているそうです。一方、隠れ脳梗塞がない人では、その割合が1%以下に過ぎませんでした。つまり隠れ脳梗塞がある人は、ない人と比べて、将来脳卒中になるリスクが10倍以上も高いということです。

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