著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「塩」はクスリとしても使われている…内服するケースも

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 みなさんも一度は「生理食塩液」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは水に塩化ナトリウムを溶かして血液に近い状態にしたものです。生理食塩液は脱水時の水分・塩分補給はもちろん、抗菌薬などさまざまなクスリを溶解するときにも使われています。

 内服するケースもあります。内服で塩を服用するのは、ただ塩辛いだけなので結構しんどいですが、疾患によっては尿から多くのナトリウムを失うものもあるため、それを補うために塩化ナトリウムを服用するのです。

 内服でもっとも多いのは、経腸栄養で栄養を補給している場合です。経腸栄養は胃ろうなどを通じて栄養剤を直接消化管に入れる方法で、超高齢者で口から食事が取れない場合などで選択されます。経腸栄養に用いられる栄養剤は塩分量が少なく作られていて、1日分の栄養剤に含まれる塩分量は2グラム程度(栄養剤の量によって増減します)しかありません。日本人が食事で摂取している塩分量は約10グラムとこちらは多すぎるのですが、かといって栄養剤の2グラムでは少なすぎます。そのまま放っておくと塩分不足になって低ナトリウム血症に陥ってしまうため、クスリとして塩化ナトリウムを用いるのです。

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