糖尿病の人は「心房細動」に気をつけろ…脳梗塞や心不全を招く

公開日: 更新日:

 糖尿病の合併症といえば、網膜症、腎症、神経障害の3大合併症が有名だが、忘れてならないのが「心房細動」だ。日本でも年々増えていて、2030年には患者数が108万人になると推定されている。心臓が震えるこの病気は、血栓をつくり、それが脳に直撃するなどして致命的な脳梗塞や心不全などを引き起こす。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「糖尿病は心房細動の発症リスクのひとつであり、糖尿病の人はそうでない人に比べて心房細動になりやすいことが知られています。高齢になるほど発症は増加し、肥満や高血圧、糖尿病性腎症がある人はそのリスクがさらに高いとされます」

 全米の4地域の住人1.6万人を対象として1985年から継続中のARIC研究、1948年から3世代1.5万人超参加のフラミンガム心臓研究でも、糖尿病は心房細動発症の独立した危険因子であることが示されている。日本人を対象とした複数の研究でも同様の結果が報告されている。また、2004年発表のスウェーデンの住民1739人を対象とした研究では、心房細動リスクは糖尿病で2.0倍、糖尿病と高血圧の合併で3.3倍に上昇することがわかっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」