著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

公開日: 更新日:

 すい臓は頭部、体部、尾部に分かれますが、頭部にできると周辺臓器なども切除する大がかりな手術で難易度が高く、術後合併症の頻度も高い。菅谷さんが発症した体部は、両側を残して切除するためすい臓機能が良好に保たれやすい。手術では頭部側の切除面を閉鎖、尾部側は小腸につなぎますが、頭部より難しくなく、菅谷さんのケースも4時間で終わり、わずか3㏄の出血で済んだといいます。尾部は脾臓とともに切除するのみで、小腸とのつなぎ合わせがなくさらに簡単です。

 がんがすい臓のどこにできるかは運ですが、手術できるうちに発見できたのは菅谷さんの心掛けだと思います。毎年受けている人間ドックで、消化液のすい液を十二指腸に伝えるすい管の異常が見つかったそうです。すい管の異常を起こす病気はいくつかありますが、それをいち早く発見できたのは毎年の検査をおろそかにしなかったからこそで、すぐに精密検査を受けたこともいまに結びついています。

 ほかにリスクを挙げると、喫煙や飲酒、糖尿病肥満があります。この4つは、いずれもそうでない人に比べて2倍を超えない程度の発症リスクですが、糖尿病の発症1年未満は5.4倍で、発症直後は要注意です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」