著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

紙に「書き出す」だけで不安を抑え、パフォーマンスを向上できる

公開日: 更新日:

 その結果、悩みの種となる出来事を書いてもらったグループのみ、実験直後こそネガティブな感情や頭痛や筋肉の緊張などの身体的な問題が生じる傾向があったものの、長期的には免疫の改善、精神的な苦痛の改善、診療センターへの訪問回数の減少、自律神経の改善など、さまざまな点で利点が見られたそうです。

 双方のグループともにトラウマ的な過去を抱えているにもかかわらず、不安や心配事を定期的に紙に書き出したグループは、心理的負担が軽減されたというわけです。

 さらに、ノースカロライナ州立大学のクラインと北テキサス大学のボールズらは、35人の新入生に「大学に来た気持ちや感想」を毎日20分間2週間にわたって書きつづってもらい、その一方で36人の新入生には「大学とは関係ない普通のトピック」を書いてもらうという研究(2001年)を行いました。

 7週間後、前者は、後者に比べメンタル部分の改善だけでなく、ワーキングメモリーの大幅な改善も見られたといいます。ワーキングメモリーは、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する前頭前野の働きのひとつです。ワーキングメモリーがパンクすると、それだけ人間は判断能力や処理能力が鈍くなってしまいます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃