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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸がん…遺伝が影響「する」、「しない」ケースの注意点

公開日: 更新日:

 プロ野球阪神タイガースの原口文仁選手(32)が国内FA権を行使するそうです。活躍の場を求めて新天地を目指すのはプロ選手なら当然。ぜひとも頑張ってほしいと思いますし、がんサバイバーとしても大注目です。

 原口選手は18年に大腸がんと診断され、翌19年1月、手術で切除。術後は一軍に復帰して試合に出場しながら抗がん剤治療を受けたことが大きな話題となりました。治療から5年。がん治療では、転移や再発がなければ完治とみなす節目の年を迎え、人生の転機にもなっています。

 さて、大腸がんはメタボを招くような生活習慣との結びつきが強く、メタボ化傾向が強まる今、患者数が増加傾向です。運動不足や高脂肪食、低繊維食などを続けると、大腸の粘膜に遺伝子異常が生じて発症すると考えられています。全体の70%程度はこのタイプで、一般に散発性大腸がんといいます。

 一方、少ないながらも遺伝が影響するタイプもあって、それが遺伝性大腸がんです。原因となる遺伝子異常が家族間で共有されるため、親や兄弟姉妹、おじおばなど血縁者に高頻度で発生しやすくなります。大腸がん全体の5%程度です。若くして発症するのも特徴ですから、26歳で発症した原口さんもこのタイプかもしれません。

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