(21)入院から3カ月…ようやく“会えた”母は表情を失っていた

公開日: 更新日:

 そんなことをぐるぐると考えていた時、病院から連絡があった。事件が起きたのだ。

 母が罹患しているレビー小体型認知症は、状態が安定している時と悪化する時の波があるという。ある時、少し意識がはっきりしてきた母が、「なぜ自分はこんなところにいるのか」と混乱し、死んでしまおうと院内の階段で身を投げかけたというのだ。その一件で母は「希死念慮あり」と判断され、閉鎖病棟の個室に移されることになった。もちろん個室料は上乗せされる。

 私はすぐに地域包括支援センターの担当者に連絡を取った。もうこれ以上、時間を無駄にするわけにはいかない。母が今後どこで、どのように生活していくのかを決めるには、早急に介護申請を進める必要がある。母が退院する頃には、適切な支援態勢が整っていなければならない。焦る気持ちを抑えながら、手続きを急ぐよう頼んだ。 (つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  2. 2

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  5. 5

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に墜ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体

  1. 6

    佐々木朗希vsシーハン 「マイナー落ち」めぐるドジャース崖っぷち2投手がちんこ勝負

  2. 7

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  3. 8

    大和証券グループ「オリックス銀行を3700億円で買収」の皮算用

  4. 9

    「浜崎あゆみの父が見つかった?」と一部で話題に 本人がかつてラジオで明かしていた「両親の離婚」

  5. 10

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?