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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

気負わず入れる交流の輪…公園のラジオ体操への参加のススメ

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散歩をするなら毎回道を変える

 日々の生活の中でできる認知症対策に触れたいと思います。

「歩くこと」が体にいいことは、皆さん、ご存じでしょう。心肺機能が向上し、足腰の筋肉が鍛えられ、脂肪燃焼を促進します。血糖値血圧、血糖の改善にも有効だといわれます。ただ、自分の好きなようにのんびり歩いていると、歩かないよりはいいものの、足腰の筋肉を鍛えたり、脂肪を燃焼したり、というのには不十分です。

 ちんまりした歩き方ではなく、ある程度手足を動かして、できれば大股で歩きましょう。「1日1万歩」など歩数を目標にするよりも、30分なら30分間、しっかり歩いた方が効果的です。

 ストックを持って歩く「ノルディックウオーキング」もお勧めです。両手に持った2本のポール(ストック)によって自然と背筋が伸び、理想的な歩行姿勢を保て、お腹や背中の筋肉も動かせます。通常のウオーキングより運動効果が高いそうですよ。2本のストックで体を支えられるので、ふらつきや転倒リスクを下げることもできます。

「大股で歩くのはしんどくて無理。散歩程度じゃないと」という方は、「散歩の道順」で工夫を凝らしましょう。散歩前に地図を見て、どのコースを歩くかを計画します。地図は持っていっても、持っていかなくても構いませんが、出かける前に計画した通り、道順を思い出しながら歩いてください。

 道中の景色に目を向けてくださいね。「ツツジの花がきれいに咲いている」「凝った庭のお宅がある」「おいしそうなベーカリーの店がある」など、なんでも構いません。

 散歩後、家族に話したり、一人反芻したりできるように、記憶に刻むようにしてください。

 この「計画した道順を思い出しながら歩く」+「景色に目を向ける」+「記憶に刻む」が、デュアルタスクになります。脳への刺激が高まるのです。

 さらなるポイントは、散歩のたびに道順を変えることです。毎回同じ道を歩くよりも発見があるでしょうし、脳への刺激も高まります。

【連載】第一人者が教える 認知症のすべて

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