膀胱がんの5割はたばこが関係…他界した小倉智昭さんもリスク知らず
たばこに含まれる発がん物質は肺胞で吸収されて血中に入ると、やがて腎臓から尿の中に排出されて膀胱へ。発がん物質は排尿されるまで膀胱の内壁を刺激するため、膀胱がんを発症しやすくなるのです。膀胱がん全体の5割は、喫煙が関係しているとされます。ですからスモーカーは要注意でしょう。
昨年12月に膀胱がんで亡くなったキャスターの小倉智昭さん(享年77)は闘病経験を発信するようになると、過去の喫煙歴に触れつつも、「たばこが(膀胱がんの)原因になることは意外に知らなかった」と語っています。もし喫煙されている方は、なるべく早く禁煙することが無難です。
前述の国立がん研究センターの多目的コホート研究では、禁煙して「10年未満」の膀胱がん発症リスクは1.8倍。最も高リスクだった「累積量50パックイヤー以上」の2.2倍よりやや下がるもののあまり変わりません。
この多目的コホート研究では、「禁煙10~19年」で吸わない人の1を下回る結果が出ていますが、世界的には「禁煙10~15年」で約1.5倍、「禁煙20年以上」で約1.2~1.5倍ほど。大幅なリスク低下を期待するなら20年以上の禁煙が必要とされていますから、早期の禁煙が大切です。