著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

膀胱がんの5割はたばこが関係…他界した小倉智昭さんもリスク知らず

公開日: 更新日:

 たばこに含まれる発がん物質は肺胞で吸収されて血中に入ると、やがて腎臓から尿の中に排出されて膀胱へ。発がん物質は排尿されるまで膀胱の内壁を刺激するため、膀胱がんを発症しやすくなるのです。膀胱がん全体の5割は、喫煙が関係しているとされます。ですからスモーカーは要注意でしょう。

 昨年12月に膀胱がんで亡くなったキャスターの小倉智昭さん(享年77)は闘病経験を発信するようになると、過去の喫煙歴に触れつつも、「たばこが(膀胱がんの)原因になることは意外に知らなかった」と語っています。もし喫煙されている方は、なるべく早く禁煙することが無難です。

 前述の国立がん研究センターの多目的コホート研究では、禁煙して「10年未満」の膀胱がん発症リスクは1.8倍。最も高リスクだった「累積量50パックイヤー以上」の2.2倍よりやや下がるもののあまり変わりません。

 この多目的コホート研究では、「禁煙10~19年」で吸わない人の1を下回る結果が出ていますが、世界的には「禁煙10~15年」で約1.5倍、「禁煙20年以上」で約1.2~1.5倍ほど。大幅なリスク低下を期待するなら20年以上の禁煙が必要とされていますから、早期の禁煙が大切です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  1. 6

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  2. 7

    京成電鉄にのしかかるオリエンタルランド株の重荷…物言う株主の揺さぶりには抵抗も厳しい“お家事情”

  3. 8

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  4. 9

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  5. 10

    小泉進次郎農相がSNSで難クセ連発の理由…JA会長を名指しで晒し上げ連日大炎上