「献血」で提供された血液から作られる“クスリ”がある
アルブミンは主に肝臓で作られるため、肝硬変など肝臓の機能が低下するような疾患の方はアルブミンができにくくなり、血液中のアルブミンも少なくなります。また、炎症が起こると、そこからアルブミンが血管外に漏れ出てしまうため、やはり血液中のアルブミンは少なくなります。そういった場合、本来であれば肝臓でアルブミンが合成されるのを待ちますが、状態によってはそうはいっていられないこともあり、クスリとして献血から得られたアルブミン製剤が用いられるケースがあるのです。
γグロブリンには、免疫に関与する抗体が含まれています。そのため、重症感染症に対して抗菌薬とともに使われることがあります。また、どのように効果を発揮しているのかはまだ不明な点もありますが、全身性に炎症が起こるさまざまな疾患(川崎病や重症筋無力症、特発性血小板減少性紫斑病など)の治療にも用いられます。
これら以外にも、血液凝固因子を含むものなどさまざまな種類の血漿分画製剤がありますが、いずれも献血、つまり他者の善意から得られるクスリです。投与が必要ないに越したことはありませんが、もし投与される場面があれば、そういった背景があることに少し気を向けてみるのもいいかもしれません。