排尿の度に自分で尿道にカテーテルを…坂本ちゃん語る前立腺肥大症との闘い
自力で排尿できた喜びは今も忘れない
あとから、瓶詰の白い大量のウジ虫みたいな削り取ったものを見せてもらいました。生体検査でもがんがないとわかり、手術の4日後に尿道カテーテルが抜け、5カ月ぶりに自力で排尿できた喜びは今も忘れられません。退院して帰宅するタクシーの中から見えた街のなんとキラキラしていたことか。
でもその後、じつは2型糖尿病が発覚したんです。入院中に「血圧が高いから退院したら調べた方がいいですよ」と言われたので、近所のクリニックで調べたら上の血圧が160㎜Hgだと判明、さらに先生から「あなた糖尿病ですよ」と静かな口調で言われたのです。その時、肥満のピークで体重が90キロもありました。
そんなタイミングに合わせて「50日間で血圧を下げる」という企画のお仕事が来て、リモートで食事から運動まで指導してくださる先生についていただいた結果、8キロやせて血圧も下がったんです。そこから「諸悪の根源は肥満だ」と気づいて健康に目覚めました。
書店で「病気の9割は歩くだけで治る!」という本を見つけて、毎日2時間歩くようになったら、歩くのが楽しくなって今日も朝4時起きで歩いてきました。
食事は朝6時と午後3時の2回。歩くようになったらあまりお腹がすかないの。で、5カ月で22キロやせたら、クリニックで処方されていた糖尿の薬が不要になり、ついこの前、「糖尿の通院は今回で卒業です」と言われました。
これまでは、お金が欲しいとか仕事が欲しいとか思っていたけれど、それも健康あってこそだと思うようになって、人生で今が一番たおやかな心持ちです。
(聞き手=松永詠美子)
▽坂本ちゃん(さかもとちゃん)1966年生まれ、山梨県出身。2000~01年、日本テレビ系のバラエティー番組「進ぬ!電波少年」の企画で東京大学を目指して受験勉強をするお笑いタレントとして一躍人気者になる。お笑いのほかドラマ出演や雑誌の連載なども数多く担当した。現在はトークイベント出演、ユーチューバーやブロガーとして活動している。
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