食品に含まれる「見えない糖質」に気をつけろ…糖尿病や肥満の原因に
気温がぐんぐん上昇し、体のシルエットが気になる季節がやってきた。薄着に備えダイエットを始めた人もいるのではないか。なかには「日頃から糖質の多いごはんやパン、麺類を減らし、甘いものも食べてないのに太っている」と不思議に思っている人もいるだろう。そんな人は食品に含まれる“隠れ糖質”を気づかずに大量に取っているかもしれない。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
「一般的な食品のなかには隠れている、見えない糖質が含まれている場合があります。さまざまな種類がありますが、そのひとつに『異性化液糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖)』があります」
砂糖はサトウキビやてんさいから作られるが、異性化糖はトウモロコシやサツマイモ、ジャガイモなどのデンプンから作られる。
異性化液糖は、ブドウ糖と果糖が混合した液状の糖のこと。植物が光合成によって作り出すデンプンは単糖であるブドウ糖が多数結合した構造を持つ。加水分解酵素、糖化酵素を作用させるとブドウ糖ができる。これに異性化酵素(グルコースイソメラーゼ=土壌中から発見された有用微生物が生産する酵素)を作用させることで、その一部がより甘味度の高い果糖に変化する。1960年代に日本人が開発した技術だ。