著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「チョコを食べない」と思うほど、チョコを食べたくなるワケ

公開日: 更新日:

 その結果、前者の方が「チョコ」と「特定の状況(例:ストレス)」との結びつきが強くなることが示され、負荷やストレスがかかっている状況にあればあるほど、チョコを欲してしまうことが分かったといいます。また、「チョコを食べない」ではなく、「代わりにリンゴを食べる」といった代替行動の計画を立てたケースでは、結びつきの強化が見られないことも分かったそうです。

 実験を主導したアドリアーンセは、「チョコを食べない」という否定形の計画=否定形実行意図を立てると、頭の中で「チョコ」がより強く意識されてしまうと分析しています。

 実際、その後も実験を続けると、もともと間食の習慣が強い人ほど、否定形の計画による逆効果が大きかったことが分かったそうです。「○○しない」と思うほど、○○をしてしまうというパラドックスが起こり得るというわけです。

 行動をやめたいときは、「しない」ではなく「何をするか」を具体的に決めることがポイントです。先のリンゴを食べるケースからも分かるように、「たばこを吸わない」といった否定形で考えるのではなく、「(たばこの代わりに)ガムを噛む」というように、否定形ではない代替行動を決めておくと◎。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑