(1)無添加はむしろ危ない…食品添加物は安全性が確認されている
「細菌やウイルスによる食中毒者数は昭和40年代くらいまでと比較すると近年は半減してきている。この大きな原因は、食品加工、冷蔵冷凍技術の著しい進歩、家庭にまで冷蔵庫が普及したことなどがありますが、保存料等添加物の役割も大きいのです」
実際、保存料やその他の添加物により食品の腐敗や変色、そして怖い油の酸化(注=油が酸化してできる過酸化脂質はがんをはじめいくつかの疾患の原因物質である)を防げるようになり、安全に食べられるようになった。このことにより日本人の食生活はより安全で豊かになった。食品は時代とともに確実に安全でおいしくなっており、食品添加物はその中心にある。逆に言えば食品添加物がなければ、食中毒リスクは高いままということだ。
「『化学調味料』という表示は現在禁じられているので減ってはいるが、まだよく見かけるし、そう信じている人も多い。忌み嫌われた化学調味料のグルタミン酸は昆布のうまみの成分であり、現在は発酵法で製造されているきわめて安全な添加物です。このグルタミン酸はわれわれの体内で神経の働きに必要なガンマアミノ酪酸(GABA)にもなる大切なアミノ酸です」