(31)母の退院後の施設探し…費用は一体いくらかかるのか

公開日: 更新日:

 問題は費用だった。母の収入源は、父の死後に受け取ることになった遺族年金のみである。電話で手続きをした際、具体的な支給額はすぐにはわからなかったが、担当者から「おおむねお父さまの年金額の4分の3くらいになるでしょう」と聞かされていた。その金額を基準に、月々の施設費用の上限を設定した。

 ただし、この時点では、施設の入居費用以外にどのような支出が発生するのか、私はほとんど想像できていなかった。日用品、薬代、通院交通費、理美容代など、日常生活にかかる細かな出費が積み重なることを知らなかった。あくまで「施設費用=毎月かかる全費用」という前提で考えていたのである。

 施設の候補は条件をもとに絞り込まれていくことになったが、コロナ禍であったことで、判断は限られた情報と想像力に頼るしかなかった。見学もできないまま、フリーランスとして引き受けすぎともいえる量の仕事の中、環境、費用、支援体制などを資料と電話で検討する作業が続いた。 (つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    戸郷が離脱、則本メッタ打ちで巨人が緊急補強へ…候補に挙がる「オリックス投手」の名前

  2. 2

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  3. 3

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 4

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  5. 5

    ベネズエラの剛腕マチャドが今オフ、オリックスとの契約満了で日米争奪戦に発展か

  1. 6

    小池栄子が一番の被害者? 佐藤二朗“ハラスメント騒動”に足引っ張られた「さよならノワール」の評価は上々

  2. 7

    高市首相が衆院集中審議に“出たくない”とブー垂れ…身内の自民国対「もう疲れ果てた…」ヘトヘトのお気の毒

  3. 8

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  4. 9

    白井球審への“侮辱行為”で退場した一部始終「何やおまえ、いい加減にしろよ!おまえも未熟なんだから…」

  5. 10

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も