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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

歌手・蒼一心さん公表の大腸がん…夏は検便が偽陰性になるリスクが2割

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 その理由として1つは持病としての痔があります。痔の方はふだんから出血があり、「どうせ痔だろう」と精検をパスする傾向がありますが、検便では痔による出血は拾いにくい設計となっていますから考えを改めて受けるべきです。

 2つ目は、大腸内視鏡検査への抵抗感です。下半身をさらけ出して肛門に内視鏡を挿入されるイメージから、嫌がる方が少なくありません。これも実際は紙パンツをはいて、肛門部分に設けられた穴から内視鏡を通すので、お尻が丸出しになることはなく、女性も恥ずかしい思いをすることはありません。

 3つ目は職場のがん検診は受診が任意のため、個人情報保護法が壁となって、個人の同意がなければ精検受診の勧奨ができないのです。一方、自治体のがん検診は健康増進法の裏づけがあり、行政から精密検査の受診勧奨ができる仕組みになっています。

 これらのことが相まって、大腸がん検診は検便も精検も十分に行われているとはいえません。大腸がんはステージ1なら9割治りますから、そのチャンスをみすみす失うのはもったいないでしょう。

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