(1)夏の無理なダイエットは禁物…猛暑疲れに拍車をかける
「間違ったダイエットは栄養バランスを崩し、健康や美容にも悪く、“猛暑疲れ”に拍車をかけます。ただでさえ、日本の女性はやせ過ぎ。この時期の無理なダイエットはお勧めできません」(矢端医師)
実際、日本女性は先進国でも低体重の割合が高く、20代の20~25%が低体重といわれています。実は今、若い女性の低体重に医療界から心配の声が上がっているのです。
今年4月、日本肥満学会は閉経前の女性の低体重、低栄養を病的な状態、症候群と位置づけるという声明を出しました。
新しい症候群の名称は「女性の低体重/低栄養症候群」(FUS)で、低体重や低栄養が女性の健康を害する要因であると明言しています(「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題-新たな症候群の確立について-」日本肥満学会・女性の低体重/低栄養症候群ワーキンググループ)。
このワーキンググループには、他にも、日本骨粗鬆症学会、日本産科婦人科学会、日本小児内分泌学会、日本女性医学学会、日本心理学会が参加しており、医療界あげて低栄養リスクの深刻さを問題視していることがわかります。同学会では低栄養状態になると、ビタミン・ミネラル不足になりやすく、貧血、傷の治りが遅くなる、免疫機能の低下、味覚障害、骨粗しょう症や骨折リスクを招くと注意喚起しています。
低栄養に陥りやすいこの季節、しっかり食べて“猛暑疲れ”を予防したいものです。 =つづく
(医療ジャーナリスト・油井香代子)