蕁麻疹は「症状が出てから薬」はNG…かゆみ&赤い膨らみを出さないための治療ポイント
分子標的薬は、値段が高いのがネックだ。千貫医師は、蕁麻疹日記(蕁麻疹ノート)といった記録帳、蕁麻疹の活動性やコントロール状態を評価するスコア(UAS7、UCT)を活用し、蕁麻疹の状態を患者に客観的な視点からも理解してもらい、納得を得た上で分子標的薬の治療に進むようにしている。
「現在のガイドライン上は分子標的薬と並んで、ステロイドの内服や免疫抑制剤シクロスポリンも検討対象となっています。ステロイド、シクロスポリンは分子標的薬と比較すると安価です。しかしステロイドの内服は長期間にわたると高脂血症、糖尿病、骨粗しょう症などの副作用のリスクがあります。シクロスポリンは高血圧や腎機能障害のリスクがあり、蕁麻疹には保険適用外なので副作用が出ても国の救済措置が適用されません。分子標的薬は高額ですが、安全性、効果ともに優れています」
薬物治療で蕁麻疹の症状が完全に抑えられれば、様子を見ながら少しずつ減らしていく。
なお、蕁麻疹には、塗り薬は効果がない。飲み薬、もしくは注射(分子標的薬の場合)になる。