「昔の写真と顔が違う?」その変化、年のせいだけではないかも…「末端巨大症」のサインとは?
■「年のせい」と見過ごしていたら?
末端巨大症とは、脳の下垂体にできた腫瘍から成長ホルモンが過剰に分泌され、手足や顔などが大きくなる病気です。成人後に発症し、症状は数年から十数年かけてゆっくり進行するため、本人も周囲も「年のせい」「太っただけ」と見過ごしがち。
初期症状は、手足の容積増大(指輪や靴のサイズ変化)、顔貌の変化(眉間・頬骨・下顎の突出、鼻・唇の肥厚)、発汗過多、いびき、睡眠時無呼吸など。診断の遅れは、高血圧、糖尿病、心血管疾患、大腸がんなどの深刻な合併症や生命予後の悪化に繋がりますが、早期に診断・治療を開始すれば、これらの合併症を予防・改善し、顔貌変化の進行抑制も期待できます。
もし、ご自身やご家族に「昔と比べて顔つきが変わった」「手足が大きくなった」「いびきがひどくなった」などの変化があれば、加齢の影響だけではないかもしれません。複数の症状が当てはまる場合は、一度、内分泌内科や脳神経外科で相談しましょう。末端巨大症はゆっくり進行するため気づきにくい病気で、放置するとさまざまな合併症を引き起こします。周りの人の「気づき」は、早期発見の重要な手がかりとなることも多いので、「もしかして?」と思ったら、勇気を出して受診をしてほしいです。(次回は刺身を食べたら激痛で緊急手術に?)