度重なる「血圧」の治療目標引き下げと「降圧剤」の売り上げの関係を調べて見たら
■2025年度:診断基準は2019年度と同じだが、年齢にかかわらず130/80(家庭血圧125/75)を目標値とする。
こうした動きに対して、「血圧降下剤(降圧剤)を売りたい製薬業界が、裏で医学会に働きかけているのではないか」といった臆測が絶えません。数値を厳しくすれば、それだけ治療対象となる患者が増え、結果として降圧剤の売り上げが伸びるはずだというのです。
では、実際にはどうなっているのでしょうか。 降圧剤の年間処方量は、厚生労働省のNDBオープンデータを使って、簡単に調べることができます。現時点で使用できるデータは、2015年度から23年度までの9年分。各年度の、上位100位までの製品について、処方量(錠数)と単価(1錠当たりの価格)を知ることができます。
15年度の処方量は、合計で約62億1000万錠でした。しかし18年度には約50億3000万錠に減少。19年度から増加に転じ、23年度には53億3000万錠まで回復しました。これだけを見ると、2019年度のガイドラインの改定が、功を奏したかのように見えなくはありません。