度重なる「血圧」の治療目標引き下げと「降圧剤」の売り上げの関係を調べて見たら
■定期受診患者数は変わらず
しかし金額を見ると、そうではないことがわかります。15年度に処方された降圧剤の合計金額は、実に5554億円に達していました。ところがその後、急激に減少して、23年度は1643億円に落ち込んでいます。わずか9年間で、降圧剤市場は約3割にまで縮小したのです。先発薬の特許が切れ、安いジェネリックに置き換わったこと、そのジェネリックも毎年のように薬価が削られ続けたことなどが原因です。実際、1錠当たりの平均単価は、15年度において約90円だったが、23年度には約30円に低下しています。
つまり降圧剤市場は、大手製薬会社にとって、まったく魅力的でないばかりでなく、ジェネリックメーカーにとっても、儲からない市場になりつつあるのです。
それだけではありません。NDBオープンデータから「特定疾患療養管理料」の算定回数を見てみましょう。これは、高血圧・糖尿病・高脂血症などで医療機関を定期的に受診している患者に対して、毎月1回算定される項目です。生活習慣病でマジメに受診している患者数を反映した数字と言えます。