乳がん手術後の胸の美しさを最大限に保つ「OPBCS」に注目
もう1つは、乳房の外側の組織を用いて修復する「Volume replacement(ボリュームリプレースメント)」。使用するのは、乳房に隣接した周囲組織の場合もあれば、広背筋のような、皮弁と呼ばれる大きな組織の場合もある。
乳房温存オンコプラスティックサージャリーは、乳腺外科医の知識・技術に加え、形成外科医の知識・技術も必要となる。通常、乳がんの手術は乳腺外科医が行い、乳房の再建は形成外科医に分担されている。乳腺外科医と、乳房再建に詳しい形成外科医がタッグを組み、“乳房部分切除後の見た目の向上(整容性)”を図ることができれば、患者のメリットにつながる。今後さらに取り組む課題であるが、乳房再建を専門とする形成外科医は少なく、地方都市になるとそれがより顕著になる。
「日本ではまだ乳房温存オンコプラスティックサージャリーは教育体制が十分に整っていないのが実情です。興味を持った乳腺外科医の先生方がOPBCSワーキンググループの乳腺外科医のもとに見学に行くなどして、学び始めている段階です。現状、乳房温存オンコプラスティックサージャリーができる施設は限られています」


















