(2)紅茶と緑茶…ポリフェノールの違いは発酵度の違い
緑茶は不(完全)発酵、ウーロン茶は半発酵、紅茶は完全発酵で作られる。この発酵度の違いによってポリフェノールの化学構造が変化し、ポリフェノールの種類や量、機能性が変わってくる。
甲南女子大学医療栄養学部の川畑球一准教授は、緑茶ポリフェノールの機能性と簡単なメカニズムについてこう解説する。
「緑茶のカテキン類は、ポリフェノール共通の抗酸化作用に加えて、身近なところでいうと抗菌作用があります。抗菌ウエットティッシュはカテキン類由来の成分を使っていますし、虫歯予防も報告されています。また抗肥満作用もあり、簡単にいうと体の中の脂肪を代謝するシステムを活性化する作用があります。さらには、エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキン類が、67LRという受容体タンパク質にくっつくことで、抗がん作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用などを発揮することが九州大学の研究により明らかにされています」
細胞膜上に存在する67LRは、細胞外の情報を細胞内に伝えて増殖や移動を制御するタンパク質で、悪性度の高いがん細胞に多く発現し、増殖や浸潤、転移などに関与することが知られている。


















