著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

米国の医療ドラマを見て考えされられた…現場で人を救う医師の勇気

公開日: 更新日:

「あなたいったい何をしたの? 体の中はまるでブルドーザーが暴れまわったみたいよ!」

 決定的ダメ出しです。彼は患者を救おうとしました。帝王切開がすぐに必要と判断し、自分で実施する、という判断もしました。その判断は正しかったのでしょうか?

 帝王切開の判断は間違っていたのかも知れません。産科の専門医の出番を待つべきだったのかも知れません。看護した周囲のスタッフの冷たい視線を感じながら、彼が打ちひしがれて帰宅しようとしたとき、一部始終を見学していた医学生が歩み出て言いました。

「センセイは立派でした」

 日常の医療の現実、医師の苦悩をしっかりと表現した最高のドラマです。この原稿を書いていても涙がこみ上げてきます。

 自分の判断で患者が亡くなり、周囲から理解されず、非難される事態。周囲から非難されなくとも、最悪の結果に自分を非難してしまう状況。命にかかわる診療科の医師の日常です。

 医師が出てくる小説はたくさんあります。1949年ノーベル文学賞受賞のウィリアム・フォークナー(1897~1962年)の「野生の棕櫚(The wild palms)」(39年)では、堕胎手術で恋人を死なせてしまう医師ハリーが登場します。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る