致死性不整脈に対する「放射線治療」の期待と課題
そこで近年、注目されているのが放射線治療です。それまで主にがん治療に用いられてきた定位放射線治療と呼ばれる放射線を狭い範囲に照射する技術を、致死性不整脈に応用した定位的不整脈放射線療法(STAR)が登場しました。従来のカテーテルアブレーションと同じように、異常な電気信号を発生させている心筋組織に対して放射線をピンポイントで正確に照射することで、異常な電気信号を遮断して心臓を正常なリズムに戻す治療法です。
冒頭で触れた研究では、STARを行った患者は、カテーテルアブレーションを行った患者に比べ、重篤な副作用が大幅に少ないという結果が報告されています。治療後1年以内に入院が必要な重篤な有害事象を経験した患者は、カテーテルアブレーションでは38%だったのに対し、放射線では9%でした。合併症もカテーテルアブレーションの方が放射線よりも早期に発生していました。また、カテーテルアブレーションでは4例が治療後1カ月以内に死亡し、その全員が治療関連有害事象発生直後(うち1例は処置中に死亡)でした。一方、放射線は3年間の追跡期間中に治療関連の副作用に起因する死亡例は認められなかったといいます。


















