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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

食道がんは温存治療後の禁酒&禁煙で新たな発生リスクを8割減る

公開日: 更新日:

 分解力が強い人で少量飲酒(日本酒換算で1週間に9合未満)の食道がんリスクを1とすると、弱いタイプで少量飲酒は5.8倍、中等量(同9合以上18合未満)は55.8倍、多量(同18合以上)は何と89倍です。ですから、顔が赤い人が飲んでいるうちに強くなったという人ほど食道がんのリスクがとても高く、治療後の禁酒が特に重要です。

 この研究では、フラッシャーかどうかの検討はありませんが、治療から時間が過ぎて「そろそろいいか」と飲酒を再開するのは決してよくありません。禁酒の離脱者が多いのは、のど元過ぎれば……と考える人がかなりいることを裏づけるデータでしょう。

 たばこは喫煙本数が1、2本でも関連するがんの死亡リスクを1.5倍に引き上げます。わずかでも影響が強く、逆にいうと禁酒より禁煙の効果が高いことが研究結果に反映されているのです。

 今回は、新たに発生する食道がんについて調べていますが、食道がんはほかのがんに比べて再発や転移もしやすく、術後は3~5割の確率で再発し、治療後2~3年以内、特に1年以内は要注意です。

 今回の研究で半年に1回の内視鏡検査でチェックしたように定期的な検査をおろそかにしてはいけません。飲酒や喫煙をしている人は、健康診断の胃カメラ検査のときに「食道もよく診てください」と念押しすることをお勧めします。

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