震えを抑えようと思うとセリフが…俳優の筒井巧さんパーキンソン病との闘い

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筋肉を落とさないように気を付けている

 よかったのは、症状が出たのが左手だったこと。利き手が右なので生活に大きな支障はありません。しいて言えば、右の袖口のボタンが留めにくいことかな(笑)。楽観的なのです。

 余談ですけど、若い時に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きで、主演のマイケル・J・フォックスに似てると言われたこともありました。彼もパーキンソン病だったので、「そこまで似ちゃったな」って感じです。

 4カ月間、震えが止まった手術を繰り返し受けてもいいのですが、2回目からは保険が利かないのでなかなかできません。でも、偶然にも今朝、iPS細胞のニュースを見ました。パーキンソン病治療のための薬の製造販売が条件付きながら承認されそうだとか。実用化も近いと聞いたので、希望を持っています。ただ、保険が利くかどうか……。でも、できるなら手を挙げたいと思っています。

 生活で気を付けているのは筋肉を落とさないこと。この病気は筋肉が落ちて歩幅が狭くなって前のめりになる傾向があるので、そうならないように大股でしっかり手を振って歩くといいと言われています。実際、街中でそうはいきませんけどね。

 朝は散歩していますし、家から事務所までは自転車を使っています。1時間ぐらいかかるかな。

 意外に階段は得意です。これはパーキンソン病患者の“あるある”みたいですけど、階段は上りも下りも意外とスムーズ。平らなところより段差を意識するからですかね。わかりませんが……。

 この病気をするまではまったくの健康体でした。ドーパミンは幸せホルモンのひとつでしょう? こんな感動の多い仕事をしているのに減るとはね。なるべくドーパミンが出るような生活を心がけようと思って、昔やっていた草野球やゴルフを再開しようかなと考えています。

 仕事は難しいと思っていましたが、ありがたいことにいろいろ設定を考えてくださる方がいるんですよ。上西雄大さん(脚本家、舞台演出、映画監督)といって、昨年12月の舞台では、左手を骨折した役にして、ギプスの中がかゆくていつもかいている人物設定にしてくれました。その前は重いカバンを左手に持っている役。そうやって、震えが見えないようなかたちで出演させてもらいました。

 そして今度は「今年、映画を撮るんだけど、パーキンソン病の人の話を書いてもいいか?」と相談されました。もちろんいいに決まっているじゃないですか。そう考えてくれる人がいることが本当にありがたいことだと思っています。

 ありがたいといえば、38年前に主演した「世界忍者戦ジライヤ」がブラジルでは今でも人気で、アンバサダーとしてイベントに毎年呼ばれています。今年ももう決まっていて、7月に30時間以上かけてブラジルへ行きますよ!

 (聞き手=松永詠美子)

▽筒井巧(つつい・たくみ) 1964年、大阪府出身。高校時代に劇団伽羅倶梨(からくり)に入り、大学卒業後、NHK大阪制作「まんだら屋の良太」に出演。87年に上京し、88年、特撮ドラマ「世界忍者戦ジライヤ」で初主演を果たす。「釣りバカ日誌」シリーズや「監察医・室生亜季子」シリーズなど、映画やテレビで活躍している。一方で「世界忍者戦ジライヤ」出演時の忍者指導の師匠から、戸隠流忍術第35代宗家を襲名している。

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