著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

広田レオナさんは寛解報告…肺腺がん 手術と同等の放射線治療は通院4回でOK

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 内視鏡などの登場でメスで大きく胸を開いて医療器具で肋骨と肋骨の間を広げて行う手術は減る傾向ですが、それでも心機能や肺機能が低い方は手術ができません。

 一方、まったくメスを入れない治療が放射線です。放射線の場合、組織を採取して調べる生検が必要ですが、それでも手術に比べると、肉体的な負担は少ないのがメリットです。体幹部定位放射線治療は、3年生存率が91%、5年生存率が87%で、手術に比べて治療成績が劣ることはありません。同等です。

 東大病院の場合、1回の照射は数分、4回の通院で終わります。仕事や生活と治療との両立は、それほど難しくはないでしょう。

 ステージ1の場合、治療の内訳は手術が90~95%と圧倒的。放射線は5~10%と少ないですが、放射線治療はもっと選択されてよいと思います。その対象は、手術に耐えられない方、もしくは手術を望まない方ですが、少なくとも高齢者は放射線治療がよいと思います。私の外来に来られる方は、80代、90代も珍しくありません。


 日本人の肺腺がんは、EGFRという遺伝子に変異があるケースが半数以上。このタイプはEGFR阻害薬が有効で、免疫チェックポイント阻害剤も2~3割の確率で効きますから、手術でも放射線でも再発してEGFR陽性なら、これらの薬剤で長期の延命も期待できます。

 肺がんの中で肺腺がんは根治や寛解が望めますから、そのためにも毎年のがん検診が大切です。

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