一瞬でピンときました…旅行作家の歩りえこさん語る直腸がんとの闘い
後遺症がこんなに大変だとは思っていなかった
私のがんは直腸がんです。直腸は肛門へとつながっている部分で、人工肛門になる可能性もありました。でもギリギリ回避できる位置だったので人工肛門を免れたのです。先生からは、「それでも半年間ぐらい人工肛門を着けた方がいい」と言われました。それだけ最初は大変だからです。でも私はできれば着けたくないと医師に話しました。あとになってそれを少し後悔しましたけど。
直腸がんの術後は排便障害という深刻な後遺症が残ります。排便コントロールができない状態が続くのです。私は退院から4カ月が経ちますが、いまだに紙パンツをはいています。この状況がいつまで続くかわかりません。
つい先日も入念にトイレに行ってから電車に乗ったんですが、目的地までガマンできなくて、途中下車しました。もちろん予備の紙パンツは持ち歩いていますが、出てしまうと気持ちがなえますし、臭いがもれたり、交換も手間がかかります。
人工肛門を着ければ着けたで大変なことはたくさんあるのですが、術後の後遺症がこんなに大変だとは思っていませんでした。手術して切ったら終わりじゃないんです。
でも、術後当初よりも確実に良くはなっています。年始には子供を連れて旅行をしました。バスで片道10時間の行程です。1~2時間に1回、トイレ休憩があることを確認して、なるべく食べずに過ごした結果、なんとか無事に帰ってきました。大変でしたが、達成感がありましたよ。
病院からは排便を抑える薬が出ています。続けて飲むと腸閉塞になる危険があるので、飲む飲まないをうまくコントロールしながら、旅行も仕事もしています。一生、紙パンツが手放せないと思いますが、来年は海外へ行きたいな~と希望を持っています。
(聞き手=松永詠美子)
▽歩りえこ(あゆみ・りえこ)1981年生まれ、東京都出身。19歳から一人旅を始め、モデルやキャンペーンガールを経て、2007年からグラビアアイドルとしてテレビ、ラジオ、雑誌などで活躍。12年に刊行した著書「ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記」がベストセラーとなり、20年に水原希子主演でドラマ化された。22年には写真集「スフィア」を発売。YouTube「あゆみチャンネル」を配信中。
■本コラム待望の書籍化!「愉快な病人たち」(講談社 税込み1540円)好評発売中!



















