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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

石橋貴明さん公表…「食道がん」と「咽頭がん」併発を見抜く検査

公開日: 更新日:

 タレントの石橋貴明さん(63)が食道がんに加え、咽頭がんも患っていることが明らかになりました。すでにそれぞれの手術を終え、回復に向けて療養されているようです。

 一般の方は「2つのがんが同時に……」と驚かれたかもしれませんが、食道がんと咽頭がん(特に下咽頭がん)は併発しやすいことが知られています。

 食道がん患者のうち下咽頭がんを併発しているのは10%前後で、逆は10~20%ほどです。がん専門医として30年以上の私の経験からも、高い頻度で併発するのは間違いありません。

 複数の要因の中で大きいのは、喫煙と飲酒という発がんリスクが共通するのが1つ。食道と咽頭の細胞はどちらも扁平上皮で共通するのが2つ目です。医学的に別の臓器でも、細胞レベルでは一体的に考えてよいと思います。

 飲酒リスクでは、日本人特有の事情も影響していて、日本人は遺伝的にアルコールを分解する働きが弱い傾向があるのです。両親から受け継ぐ分解酵素の遺伝子がどちらも強い人の発がんリスクを1とすると、どちらも弱い人は最大90倍近くになります。飲酒で赤ら顔になる人は要注意なのです。

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