著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

複数回接種のHPVワクチンは1回で済む…米国の研究で判明

公開日: 更新日:

 HPVワクチンをめぐって、興味深い研究結果が発表され、医療業界のみならず、一般のニュースでも話題となっています。HPVはヒトパピローマウイルスのことで、性交渉で男女に感染。女性の子宮頚がんの原因となるウイルスですが、中咽頭がんや肛門がん、男性の性感染症のひとつ尖圭コンジローマを引き起こすことも知られていますから、男女共通のテーマです。

 そんなワクチンの研究結果とは何かというと、接種回数についての考察でした。HPVは複数の型があり、カバーする型の数によって2価、4価、9価と3種類のワクチンがあります。2価は子宮頚がんの7割ほどを占める最も危険な型の2つが対象で、4価と9価はそれ以外の型も含んでいます。現状は2回もしくは3回接種です。

 米国立がん研究所の研究グループは2017年11月29日~20年2月28日にコスタリカで約2万人を登録。この被験者を2価1回接種、2価2回接種、9価1回接種、9価2回接種に分け、1回接種が2回接種に劣らないことを調査しました。その結果、2価も9価も、1回接種が2回接種に劣らないことが証明されたのです。4グループともワクチンの有効性は97%以上で、安全性も担保されています。この結果が昨年12月、英国の権威ある医学誌に掲載されたのです。

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