著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(1)バイタルが正常なら問題なし…軽肥満は「悪」ではない

公開日: 更新日:

 しかし、太ることがそこまで悪いかというと、必ずしもそうではありません。むしろ痩せていることのほうが、医学的には悪であることが分かっています。肥満(1度)でも、血圧血糖値・コレステロールなどのバイタル(生命予兆)データが高くなければ、過度に心配する必要はありません。むしろ低体重の人よりは、ずっとマシです。それどころか、普通体重でも安心はできません。BMIが20以下なら“準痩せ”と言ってもよく、将来的に健康上のさまざまな問題が出てくるリスクが高いからです。

 とくに若い女性のなかには、無理なダイエットをして、栄養不足でからだを悪くしたり、心を病んだり(拒食症など)する人が増えています。それどころか最近では、小学校低学年で拒食症になってしまう子も増えてきています。「痩せている=美人」といった世間の無責任な風潮に、強い影響を受けた結果です。

 しかしそれ以上に、若者の痩せは日本の未来にとって、きわめて大きな影を落とし始めているのです。そのため厚生労働省は、若者のBMIをなんとか引き上げて、痩せを減らそうとしています。

 医学界もその方向に舵を切り始めています。日本が抱える少子化問題や高齢者のフレイル問題などの多くは、実は若いころの痩せが原因のひとつであることが分かっています。逆に現役世代、とくに若い世代が「罪悪めし」をもっと食べるようになれば、多くの問題が一気に解決するかもしれません。 =つづく

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