大人の斜視(2)第二の老眼「サギングアイ症候群」
サギングアイ症候群が厄介なのは、「自分は違う」と思っている人が多く、何の対策も講じていないことです。斜視は一般的に見た目でわかりやすいのですが、サギングアイ症候群は、そうとは限りません。ぱっと見た感じでは、両側の目がまっすぐ正面を向いているからです。それが年齢を重ねるにつれ、徐々に違う方向を向いていくようになります。進行が緩やかであるため、本人はもちろん、周囲の人も気がつきません。
しかし、見た目は「両側の目が同じ方向を向いている」であっても、左右の目で見る映像はズレています。微妙な差であっても体はダメージを受け、「ピントが合わない」「ぼやける」「二重に見える」「距離をつかみにくい」といった見えづらさが出てきます。「老眼が進んだ/老眼鏡が合わなくなってきた」といって来院した人を調べると、実はサギングアイ症候群だったというケースもあります。
頭痛、肩こり、めまい、眼精疲労、目の奥の痛みといった不定愁訴も、サギングアイ症候群でよくある症状です。見えづらさを調整しようと無意識に目、首、肩、顔などに力を入れているので、疲労がたまりやすくなるからです。
要注意なのは、転倒や交通事故のリスクが高まる点です。見えづらいため、ちょっとした段差でも転びやすくなるのです。年のせいと思い込んでいる人もいますが、見え方をよくすれば、転倒リスクを下げられるかもしれません。



















