著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「制約」があったほうが創造的なアイデアが生まれる

公開日: 更新日:

 これを受け、ホート=トロンプとストークスは、外部から与えられた制約ではなく、自分で考えた制約でも効果があるかを検証しています。被験者には、まず頭に浮かんだ最初の4つの具体的な名詞を自分で書き出し、その後、その名詞を必ず含めて2行の文章を作成してもらいました。

 この検証でも、先の実験同様に制約があった方が、創造的な文章が作られることが分かりました。

 驚くべきは、こうした効果がキャリーオーバー(引き継ぎ)したことです。被験者が【制約ありの条件】の課題に取り組んだ後に、【制約なしの条件】の課題に取り組むと、なんと最初から制約なしの課題に取り組んだグループよりも、創造性が向上していたというのです。つまり、制約を用いて練習するだけで、その後、制約がない状況でも創造的に考える力が刺激されるということです。

 制約という「難しい作業」が、脳に普段使わないような連想経路を探索させ、より独創的なアイデアにつながる--。ひらめきやクリエーティブを求められるような仕事と向き合うときは、あえて「制約を設ける日」などの時間をつくってみるといいでしょう。アイデアを考えるのが苦手という人も、こうした「縛り」を設けることで、思いがけないアイデアが降ってくるかもしれません。「制約」は使い方次第ですよ。

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