再生医療の進化が「人生120年時代」を実現させるカギになる
昨年開催された大阪・関西万博では、iPS細胞からつくった「ミニ心臓」が展示されて注目を浴びました。iPS細胞を使って、さまざまな機能を持つ心臓そのものを新たにつくり出すというのは限りなく困難で、このミニ心臓も現時点ではiPS細胞でつくった収縮と拡張を繰り返す心筋細胞の塊という印象ですが、技術は着実に進歩しているといえます。
また、前回、前々回で取り上げた大阪大の研究では、心臓を回復させる5つの遺伝子の働きを補う薬剤を開発して心臓に届け、自己の新たな心筋再生を促して心機能を回復させる試みも進んでいます。こちらは、心筋シートのような外部からの再生細胞の移植に依存しない、薬剤を使った再生医療といえるでしょう。
世界では、機能が不十分になった心臓を、丸ごと人工臓器に置き換える完全人工心臓の研究も進んでいますが、まだまだ大きな壁がいくつも存在します。それよりも、再生医療によって心臓がきちんと機能するために必要なパーツをそれぞれ再生し、傷んだり壊れたりして機能しなくなった構造物と入れ替えるという方向性で実現化していくのではないでしょうか。


















