(5)睡眠中に脳は“大掃除”される…グリンパティック系の正体
興味深いのは、この掃除機能が最も活発になるのが深いノンレム睡眠中であることだ。深い眠りでは神経細胞がゆっくりと同期して活動する「徐波睡眠」が現れ、神経細胞の周囲にある細胞間隙が覚醒時より広がる。その結果、脳脊髄液が脳内を効率よく循環し、老廃物の回収能力が高まる。睡眠は脳を休ませる時間であると同時に、脳を洗浄する時間でもあるのである。
「2024年には、この現象の理解をさらに深める研究が『Nature』誌に掲載されました。深い睡眠中にみられる神経活動そのものが、脳脊髄液の流れを生み出し、グリンパティック系を駆動していることが示されたのです」
つまり、眠っているだけでは十分ではなく、「質の高い深い睡眠」があって初めて脳の掃除は効率よく行われることが分かってきた。さらに感覚刺激によって脳のガンマ波活動を高めることで、アミロイドβの排出が促進される可能性も報告され、認知症予防への応用が期待されている。
■ノンレム睡眠が重要な理由
では昼寝でも同じ効果が得られるのだろうか。短時間の昼寝は集中力や記憶力を回復させることが知られている。


















