岐阜の熟成師が日々研鑽を積む「焼肉旬やさいファンボギ」
かつて繊維で栄えた岐阜駅北部、玉宮地区の一角に「焼肉旬やさいファンボギ」ができて10年目になるが、折からの熟成肉ブームを受けて着実に進化を遂げている。
店主の高橋樗至シェフは岐阜最古の焼き肉屋「名玉」の孫として生まれ、ずっと「肉」を間近に育った。小学生の頃から将来は料理人になりたいと思って暇さえあれば台所に立ち、両親もそんな姿を見守ってくれた。本当は修業したいフレンチレストランがあったが、父親に告げると、そんな小洒落たところに行く必要はないと一蹴され、中学卒業直後から実家での修業が始まった。
店は順調に回転していたが、ご両親が60代の若さで早逝され、お兄さんとともに20代前半で店を切り盛りをする立場になった。精肉店でさばきを勉強したり、海外で経験を積んだ後、再び戻って暖簾を守っていたものの、伝統を守るお兄さんのやり方と焼き肉をさらに進化させたいシェフの方向性に開きが出てきたため、新規店として独立スタートさせることになった。