田中幾太郎
著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

首相ゼロが開成高唯一の悩み…“群れたがる”御三家の連帯感

公開日: 更新日:

 高校募集の成果が表れだしたのは70年代。高校1学年400人体制となった最初の生徒が卒業した77年、東大合格者数は124人を記録し、初のトップを獲得。以降の躍進につながっていくのである。

「御三家のいずれも、東大受験に向けた特別な授業を行っているわけではありません。開成が抜け出たのはやはり、高校での受け入れを増やした影響が大きいのは間違いない。高校から開成に入るのは、中学からよりもさらなる難関で、それだけ優秀な生徒を確保できるようになったということなのです」(元麻布教諭)

 多くの予備校スタッフに尋ねても、ほぼ同じ答えが返ってくる。進学校の大学受験実績は「学校のカリキュラムの違いよりも、いかに地頭のいい生徒を集められるかにかかっている」というのである。

■開成名物の“棒倒し”

 だからといって、開成にガリ勉タイプばかりが集まっているわけではない。というよりも、開成での学園生活に溶け込んでいくうちに、心身ともにたくましくなっていくのだ。実際、文武両道を体現している生徒が目立つ。それは毎年5月に行われる運動会の光景を見れば一目瞭然。高2と高3が参加する棒倒しでは、激しい攻防が繰り広げられる。守備陣はプロテクターとヘッドギア、攻撃陣はヘッドギアのみで上半身裸で戦う。一昔前までは防具を一切つけず、ケガ人が続出していたという。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異