田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

公立中高一貫で勝負「けんちば」渋幕逆転への課題と可能性

公開日: 更新日:

「前年、千葉市が市立稲毛高附属中を新設。遅れじと県も中高一貫に踏み切ったのです。表向きは私立中高一貫校に対抗するためではないと言っていますが、衆目一致するように、渋幕らを意識して巻き返しを図ったというのが本当のところです」(同)

教育王国のプライドと現実

 千葉県は国内有数の教育王国。文部科学省が行った15年度の公立校英語教育実施状況調査では、中3の英語力で47都道府県中トップ、高3でも群馬に次いで2位だった。県は自身の教育システムに強いプライドを持っているだけに、「私立校に後れをとるなど許されない」(同)のだという。王国復活のカギが公立の中高一貫の導入というわけだが、「中途半端な感は否めない」(大手予備校幹部)との指摘もある。

「けんちばは中学定員が1学年80人で、高校からの募集は240人。一方、私立の中高一貫進学校を見ると、東京御三家のうち、麻布(定員300人)と武蔵(160人)は高校からの募集はなし。開成は中学で300人、高校で100人を募集する。また、渋幕は中学で280人、高校で55人。こうした進学校は中学の段階で、通常は高校での分野を先行して教えるので、余裕を持ったカリキュラムが組める。しかし、けんちばの場合は高校からの生徒のほうが圧倒的に多いので、そちらに合わせたカリキュラムを組むしかなく、先取り学習ができず、大学受験に向けてはどうしても間に合わなくなってしまうのです」(予備校幹部)

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