歌舞伎町“決闘”事件と137年前の法律 合意しても殴り合っても犯罪です
「決闘罪」という言葉を聞いて、時代劇や西部劇を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、その法律が令和の東京・歌舞伎町で実際に適用されました。通称「トー横」で行われた1対1の“タイマン”が死亡事件に発展し、137年前に作られた法律が動いたのです。
今回適用されたのは「決闘罪ニ関スル件」(明治22年法律第34号)という、明治22(1889)年に制定された法律です。ちなみに「〇〇法」といった名称ではないのは、この法律には題名がなく、便宜上「決闘罪ニ関スル件」と呼称されているからです。
この法律のポイントは、「殴り合うことを合意した行為そのもの」を禁止している点にあります。決闘の定義については、昔の判決で「合意により身体・生命を傷害すべき暴行をもって相い闘う行為」と定められていますが、決闘を行うことのほか、挑むこと、応じること、立ち会うこと、会場を提供することが罰せられています。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。この定義だと、格闘技の興行全般が決闘罪に該当するのではないかと。その点に関しては、形式的には該当するという答えになります。ですが、正規の興行であれば違法性が阻却されるので、結果としては犯罪にはなりません。
今回の歌舞伎町での事件では、傷害致死罪でも逮捕されているので、決闘罪を適用せずとも逮捕可能な案件でした。今回あえて決闘罪でも逮捕した理由は明らかではないですが、紛争解決手段としての喧嘩は強く禁圧されているというメッセージは世間に発信されたと思います。



















