“エレベーター付”とネタになる「大阪城天守閣」が重文に 指定の背景を読み解くと、コンクリート造りがその価値を高めていた
戦後の天守再建ブームの先駆け
そして、注目したいのが鉄骨鉄筋コンクリート造の天守であることの価値だ。コンクリート製であることはもっとも大阪城天守閣が揶揄されてきた点だといえるが、それがかえって文化財としての価値を高めているのである。
大阪城天守閣は、昭和初期から普及が進んだ鉄筋コンクリート造の建築の中でも、最初期のものであり、しかも規模も大きい。また、戦後になると空襲などで消失した名古屋城や広島城、和歌山城など、各地で天守の復興が進められていったが、その際に多くの城が大阪城天守閣を参考にした。いわゆる天守再建ブームの先駆けとなったのである。
さらに、内部を城に関する博物館にし、最上階を展望台として開放するという発想も画期的なものだった。現在でこそ当たり前になっているが、これも大阪城天守閣が先駆けたものであり、後世に与えた影響の大きさがうかがえるだろう。
昭和初期の大阪の繁栄の象徴であることも重要だ。昭和初期の大阪は、人口で東京を抜いて、“大大阪”と呼ばれるほどの繁栄を遂げた。御堂筋の道路や地下鉄御堂筋線の整備など、現在も使われているインフラの整備などさまざまな事業が行われた。その1つが大阪城天守閣の復興だった。
当時の關一市長のもとで進められ、建設費用は大阪市民の寄付によってまかなわれた。桃山時代、江戸時代の天守はいわば権力者によって建てられたが、昭和の再建は市民によって成し遂げられた点も意義深いといえよう。
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