内閣府はまるで“狼少年”…需給ギャップ「2025年度に解消」の見通しに経済界も失笑?
財 それだけではない。企業が政府の要請に応えて賃上げ率を高めてきたのに、円安の進展などによる物価上昇を予測外れの言い訳にする。政府は長年、成長戦略を掲げながら成果を出せないでいるのに、また「賃上げ」に頼った需給ギャップの解消を見込むなんて、政策不在もいいところだ。
官 需給ギャップは、企業などが持つ製品やサービスの供給力に対し、消費や投資など需要量が上回ればプラスになる。そうなれば確かに個人消費や設備投資が日本経済を引っ張る脱・デフレになるが、内閣府の言うようにならなければ、企業はバランスを取るために供給力を縮小するだろう。
政 また、バブルがはじけた後のように従業員のリストラか?
財 そうならないために、経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)や経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)らは今後も積極的な賃上げをするように呼びかけているが、内閣府の見通しが楽観的過ぎたと分かったときは、賃上げも勢いを失う。罪つくりになるかもしれないな。
(構成=竜孝裕/ジャーナリスト)
■関連記事
-
語り部の経営者たち 象印マホービン 市川典男社長(3)高級炊飯器がヒットもライフステージにあわせて選ぶことができる製品を…
-
語り部の経営者たち 象印マホービン 市川典男社長(2)家庭用品メーカーのトップブランドを目指して…“CM戦略”が大当たり
-
注目の人 直撃インタビュー リゾート開発計画に揺れる野沢温泉村の村長に聞いた「ニセコでも白馬でもない独自文化の根付く唯一無二の村をつくる」
-
「もうけびと」に聞く金儲けの秘訣 ゴキブリ駆除で業界革命を起こした男に聞いた 完全駆除率99.5%、リピート率97.9%の秘密
-
クルマは乗らなきゃ語れない 新型ダイハツ ムーヴに初試乗! スライドドア化は是か非か? 王者ホンダN-BOXと比べてみた
-
経済ニュースの核心 「エムット」の商標巡り“ニアミス”騒動も…三菱UFJ銀はポイント還元率最大20%ブチ上げ預金獲得強化へ