三菱商事が洋上風力発電から撤退…気になるウォーレン・バフェット氏への忖度
「赤札入札」と揶揄された受注は、政治的な混乱も招いた。ライバル企業の反発もあり、政府は異例の入札ルールの変更に動いたのだが、そこで浮上したのが、自民党の秋本真利衆院議員(当時)による疑惑の国会質問だった。
秋本氏は、三菱商事のライバル企業の社長から賄賂をもらって入札ルール変更を政府に働きかけたなどとして、受託収賄容疑で逮捕・起訴された。裁判は現在も続いている。
政府は改めて事業者の公募を行う方針だが、「応札できる事業者が出てくるか疑問」(メガバンク幹部)との見方が有力だ。そればかりか、「外部環境の悪化はどこも同じ、第二、第三の三菱商事が出てきてもおかしくない」(同)とみられている。
三菱商事が撤退を決めた背景について、「三菱商事の筆頭株主となっているウォーレン・バフェット氏の意向を忖度したのではないか」(市場関係者)との見方が浮上している。
三菱商事は8月28日、ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイの子会社であるナショナル・インデムニティー・カンパニーが株式を買い増し、保有比率を3月時点の9.74%から10.23%に引き上げ、筆頭株主となったと発表したばかりだ。